A.猫


風もなく暖かい日差しが射す。
その暖かさが春が近いのを物語る。
珍しくなんの予定もない2人の男のミコッテが、ラベンダーベッドを歩いていた。
目的地は2人の姉の家。
姉も珍しく予定がないということで、お茶をしないかと誘われたのだった。
手土産に姉でも食べられそうな甘くないお茶菓子を持って、他愛のない会話をしながら目的地へと足を進める。
家の敷地の前にたどり着くと、庭に置かれたテーブルにお茶を準備している姉の姿。

「姉さん、久しぶり」
「お邪魔します!」
「お、いらっしゃい!時間ピッタリだな」

姉に手土産を渡し、席に着く。
お茶を飲みながら、近況報告や戦いでの分からないことを聞いたり、街で流行っているものの話など、話題は尽きなかった。


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「なんだ、この状況は…」

用事から戻ってきたヴァルは呆れた声を出した。
そこには、テーブルにうつ伏せ、気持ちよさそうに寝ている3人の姿。
なんとも無防備な姿に、溜め息を吐く。

「でも、この陽気じゃ仕方ない…か」

暖かい日差しに、思わずヴァルも反射的に欠伸をする。

「あたいも、少し休むか…」

3人から少し離れたところにある木の根元に座り、幹に背を預けて目を瞑る。
そして、眠りについた。
その4人の姿は、本物の猫のようであった。




とある冒険者の手記

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