V.ちょっとした手土産
穏やかな日差しが差し込むラベンダーベッド。
ガンゴッシュから帰宅したガウラは、自宅の敷地に足を踏み入れたが、ふと足を止めた。
「ヴァルー!いるんだろー!」
突然の呼び出しに、何事かと姿を表すヴァル。
「どうした?」
尋ねるとガウラは手招きをし、それに素直に従うヴァル。
すると、ガウラは「ほれ」とヴァルの髪に何かを着けた。
「うん!やっぱり、お前に似合ってるな!」
「?」
なんだと手に取ってみると、それは淡いブルーのリリーオーナメントだった。
何故、それを着けられたか分からず、目を見開いたまま固まっているヴァル。
それを見て満足気なガウラ。
「なんで、これをあたいに?」
状況が理解出来ず、やっとの思いで言葉を発するヴァル。
「ボズヤの戦利品さ。私は既に白いヤツを持ってるし、青ならお前に似合うんじゃないかなと思ってね」
「…理解した」
ガウラの説明にじっとリリーオーナメントを見つめるヴァル。
「普段使いしないってなら、裏稼業で着飾る時に使っても良いし、まぁ、好きに使ってくれ」
「承知した。有難く使わせて貰う」
ヴァルはそう答えて、リリーオーナメントを髪に着け直した。
それを見て、ガウラは満足そうに微笑み、ヴァルは少し照れくさそうに笑っていた。
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