A.チョコボとサンドイッチ


太陽が燦々と輝く大地を、鼻歌を歌いながら陽気に歩くアリスの姿。
本日の依頼を午前中に終え、昼食を摂る場所を探していた。
先日、パートナーのヘリオが大量のトマトを持って帰宅し、それを消費する為に弁当にサンドイッチを渡された。
普段は、昼食を摂るときはだいたい食材を持って野外で軽い自炊をする為、弁当があることが新鮮なのと、愛するパートナーが作ってくれた弁当という事で、アリスは浮き足立っていた。
座るのに丁度いい岩場を見つけ、チョコボの荷台からサンドイッチの入ったバスケットを降ろす。
岩場に腰をおろし、バスケットの蓋を開け、「いただきます」と手を合わせ、サンドイッチを頬張る。

「んーっ!うまっ!」

本当に美味しそうに食べるアリスを見て、サンドイッチに興味を持ったのか、ギサールの野菜を突っついていたチョコボがアリスをじっと見つめた。

「なんだ?お前も食べてみたいのか?」
「クエッ!」
「そっか!じゃあ、1切れだけな」
「クエックエッ!」

野菜だけをサンドしてる物を選び、チョコボに差し出すと、少し警戒しながらもサンドイッチを食べた。
すると、余程美味しかったのか、嬉しそうに鳴きながら飛び跳ねるチョコボ。

「美味いだろ?ヘリオが作る料理は美味いんだ!」
「クエッ!」
「…っ?!ちょっ!アレックス?!こらっ!!バスケット返せっ!!」

サンドイッチの味を占めたチョコボは、アリスからバスケットを強奪し、走り出した。

「アレックスっ!!待てってば!!俺の昼飯返せっ!!」

慌ててチョコボの後を追いかけるアリス。
チョコボに追いついた時には、既にバスケットは荒らされ、サンドイッチはひとつ残らず食べられた後だったのは言うまでもなかった。



とある冒険者の手記

FF14、二次創作小説 BL、NL、GL要素有 無断転載禁止

0コメント

  • 1000 / 1000