A.記憶とクリスタルの捜索
議会からオールド·シャーレアンでの行動に制限がかけられた後。
アリスはガウラから至急の頼み事をされた。
それは、ヴァルが身につけているペンダントに使用されているクリスタルと同じ物を見つけてきて欲しいとの事だった。
手がかりは、そのペンダントがヴァルにとって思い入れのある物だと言うこと。
人から貰ったものであれば、相手はヘラの可能性があるとの事だった。
そして、ヘラの記憶を持っているのはヘリオ。
聞き込みと調査をして、場所を特定しなければならなかった。
賢学の講義が終わり、ナップルームに帰ってきたヘリオを捕まえる。
「ヘリオ!おかえり!」
「ただいま」
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
「なんだ?」
「思い出せる範囲でいいんだけど、ヘラの記憶で誰かにクリスタルを渡したことは無いか聞きたくて」
「…なぜだ?」
「義姉さんに防具の新調をする素材が無いから取ってきてほしいって頼まれたんだ。で、素材に丁度いいのがヴァルさんが身につけてるペンダントについてるクリスタルらしくてな。思い入れがあるものらしくて、それが貰ったものなら、相手がヘラの可能性があるって」
「なるほど…」
事情を聞いて、ヘリオは記憶を探っているのか、考え込む表情になる。
いくら記憶を持っていたとしても10年以上前の記憶、ましてや子供の頃の記憶を思い出すのは時間がかかるだろう。
5分ぐらい時間が経過した頃、ヘリオは「これか…?」と口を開いた。
「9歳ぐらいの時、森を散策してクリスタルを見つけたことがある」
「本当か!?」
「帰り道にビッグベアに襲われて、何者かに助けられた。その後に礼として渡したはずだ」
「見つけた場所、思い出せるか?」
「いや、如何せん子供の頃の記憶だからな。だが、集落からはそこまで離れてなかったと思う。子供の足で行ける範囲は限られてるからな」
「なるほど」
「それと、分かっているのは、ビッグベアの縄張りだと言う事だな」
ヘリオから話を聞き、それをメモしていくアリス。
「わかった!ありがとう!あとは里の方に行って、ビッグベアの縄張りが何処か聞き込みしてくる!」
「あぁ、気をつけてな」
「うん!行ってきます!」
アリスは荷物を纏め、グリダニアへとテレポした。
忍者にジョブチェンジし、里へと急ぐ。
里に着くと、真っ先にヴィラを探し声をかけた。
「ヴィラさん!」
「アリスか。お前、オールド·シャーレアンに行っていたんじゃないのか?」
「ちょっと頼まれ事をして、戻ってきたんです」
「頼まれ事?」
アリスは簡単に事情を話し、ビッグベアの縄張りを尋ねた。
「確かに、集落からそれほど離れていない所に、縄張りがある。軽く地図を書いてやる」
「お願いします!」
アリスは鞄から手帳とペンを取り出し、簡単な地図を書いてもらった。
「クリスタルが見つかるといいな」
「はい!ありがとうございます!」
そう言って、アリスは素早く里から出て行った。
書いてもらった地図によると、里と集落の間、集落寄りの1部に縄張りがある事が分かり、木の枝から枝へ飛び移りながらその場所を目指す。
しばらくすると、ビッグベアが徘徊している一帯へと差し掛かった。
「この辺りか…でも…」
その頃には陽が傾き、辺りが薄暗くなり始めていた。
「仕方ない。集落の方で1晩過ごすか…」
暗い中での探索は危険と判断し、ここから近い集落へと向かった。
集落に着くと、気配を察知したのか家からジシャが警戒しながら出てきた。
「何者だい?!」
「驚かせてすみません!義母さん!」
「なんだ、アリスかい」
安堵するジシャに、再度驚かせた事を謝罪し、1晩ここで休ませて欲しいと頼んだ。
ジシャはそれを承諾し、アリスはテントを張って一夜を明かした。
翌朝、ジシャにお礼を言って、昨日見つけたエリアまで移動。そこからはローラー作戦である。
時折、クリスタルの反応がないかをエーテル視を使って確認しながら散策していく。
子供の足を考え、集落に近い所から虱潰しにしていく。
そして、時刻が午後3時を回ろうとした頃、クリスタルが露出している岩場を発見した。
「あった!」
白く輝く無属性のクリスタル。
アリスは採掘師にジョブを変え、ガウラから指定された数のクリスタルを採掘した。
「数は…うん、足りたな!」
数を確認し、再び忍者にジョブを変え、通信ができるエリアまで移動し、ガウラに連絡を取ったのだった。
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