A.見送り


パーラカでの救助活動が終わったアリス達は、ラザハンへと戻ってきていた。
救助活動は夫婦の命は救えなかったものの、その赤子を何とか助けられた。
救えなかった命に憤りを感じる暇もなく、次の目的に着いての議題が持ち上がる。
それは、古代で起こった終末の原因が何か?という事だった。
原因を突き止めるため、ガウラが第一世界へと向かい、古代に行く事となった。
第一世界には、流石に着いていけないアリスは、旅立つガウラに言った。

「義姉さん、1人で大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ」
「無茶しないでくださいね」
「分かってる」
「あと…」
「まだ何かあるのかい?」

心配症だなと、呆れた溜め息を吐かれる。
アリスはガウラにある物を手渡した。

「ヴァルさんが、もし俺が行けない場所に義姉さんが行く事になったら渡してくれって」
「これは……」

それは、見覚えのあるものだった。
ヴァルが片時も離さず身に付けていたペンダントだった。

「長年、義姉さんの無事を願い、祈りを込めていたそうです。だから、御守り程度に持っていて欲しいとのことです」
「……全く、お前と言いヴァルと言い、心配しすぎだ」
「それだけ、義姉さんがやらかす無茶は命の危険があるからです!俺も人のことは言えないですけど」

少しバツの悪そうに言うアリスに、溜め息を吐きながらガウラはペンダントを受け取った。

「まぁ、有難く受け取っとくよ。ヴァルに後で返すと伝えて置いてくれ」
「分かりました」
「じゃあ、行ってくるよ!」
「行ってらっしゃい!気をつけて!」

そう言って、アリスはガウラの後ろ姿を見送った。
そして、暁のメンバーの元に戻ると、アリゼーが話しかけてきた。

「これから、私達は各地に行くけど、アリスはどうするの?」
「んー、ヘリオに義姉さんの事を伝えに行って、そのあと何も無ければ俺も各地の様子見に行こうかと思ってます」
「分かったわ!何かあればリンクパールで連絡を取り合うって事で!」
「はい!分かりました!」

こうして、皆は各地に散らばり、アリスは一旦オールド·シャーレアンへと向かったのだった。




とある冒険者の手記

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