V.ヴァルの逆襲
なんの予定もない日。
穏やかな時間が流れる自宅で、家事をこなしているヴァルを紅茶片手に眺めているガウラの姿があった。
時折目が合うと、優しい笑みを返すヴァルに、自然とガウラも笑みを返していた。
そこでふと、ヴィエラ族になっていた時のことを思い出した。
(あの時のヴァルの反応、可愛かったよなぁ…)
その時の反応を、また見たいと思い始める。
家事が終わり、自分の紅茶を持ってガウラの隣に座るヴァル。
紅茶を1口飲み、カップをソーサーに置いたのを見計らって、ガウラはヴァルに寄る。
「ガウラ、どうした?」
不思議そうに彼女を見るヴァル。
すると、ガウラはヴァルの首筋を撫でる。
「っ?!」
小さく身体を震わせたのを見て、反対側の首筋に顔を近付け、軽く唇を押し付けた。
「んっ…!」
あの時聞いた、甘い声。
首筋をはみ、強く吸うと、更に甘い声が上がる。
「んあっ…ちょっ…ガウラっ」
彼女の反応に、自然と空いている手が腰に伸びる。
尻尾の付け根を軽く撫でると、身体が大きく跳ねた。
「にゃあっ」
ヴァルは思わずガウラの両肩を掴み、身体を離す。
ガウラは、ヴァルの顔を見て口角が上がった。
求めていた表情が目の前にあったからだ。
「ふふっ、反応は変わらないんだね」
「~~~っ!!」
ガウラの言葉に、さらに真っ赤になるヴァル。
そこから、隙あらばガウラからちょっかいを出され続けた。
***************
その日の夜。
ソファに座りくつろぐ2人。
そこでも、ガウラのイタズラ心は止まらず、ヴァルの耳元で囁く様に名前を呼んだ。
「……ヴァル」
「っ?!」
ビクッと反応した彼女に、そのまま唇に深いキスを落とす。
「ぅんっ……んんっ……」
彼女の首筋を手でなぞり、押し倒そうとした時、自分の身体が倒れた。
「……えっ?」
状況が理解出来ず、戸惑う。
そんなガウラを熱っぽく、うっとりとした表情で見下ろすヴァルがいた。
「……え……あ?」
「ガウラ……、そんなにあたいを求めてくれるなんて…嬉しい……」
「………え?」
パニックを通り越して、思考が停止するガウラ。
それに構わずヴァルは、ガウラの頬を愛おしそうに撫で、深い口付けを落とす。
「ぅんんっ?!」
身体は逃げられないよう、完全にソファとヴァルの身体に挟まれ、身動きが取れない。
深い口付けは、長く、ガウラを翻弄する。
呼吸も、少ししか出来ず、頭がボーッとしてくる。
その様子を見たヴァルは、次に彼女の頬に口付ける。
その口付けは、徐々に下がっていき、首筋を捕らえる。
「ヴァ……ヴァル、ちょっとっ?!」
上手く頭が回らないながらも、ガウラはヴァルを制止しようと声を上げるが、それで止まる彼女では無い。
ヴァルがそのまま首筋に舌を這わせると、ガウラの全身に今まで感じたことの無いゾクゾクとした感覚が襲う。
「ひゃっ!!」
くすぐったいような、痺れるような不思議な感覚。
不快感は無いが、その感覚に慣れず、身を捩る。
「ちょっ…ヴァルっ…」
少し息が上がりながらも、ヴァルに声をかけるが、彼女は反応しない。
そのまま、ガウラの首筋を強く吸った。
「あっ!!」
その刺激に、思わず声が漏れた。
今まで聞いたことの無い自分の声に、驚きと同時に恥ずかしさで、顔が一気に熱を持つ。
軽いキスと、強いキス、時折這う舌の感覚。
慣れないゾクゾクとした感覚に、身体も熱を持ち始める。
「ヴァルっ…ちょっ…待ってっ!」
自分の身体の異変に、不安を感じ彼女を止めようとするが、彼女の唇で口を塞がれた。
「んんっ!!」
ガウラの意識がキスに集中しているのを見計らって、ヴァルはガウラのシャツのボタンを外していく。
そして、シャツの下に手を滑り込ませると、ガウラが状況に気が付き、ヴァルの腕を掴んだ。
「ヴァルっ?!」
シャツははだけ、下着に包まれた胸元が晒されている。
それを、うっとりと見つめるヴァル。
「あぁ……綺麗だ……」
「なっ……えっ……?!」
ヴァルは、ガウラの胸元に顔を埋めて口付けると同時に、自分より小ぶりな彼女の胸を下着越しに優しく揉んだ。
「ひぇっ!?待て待てっ!!ヴァル!!待てってっ!?」
さすがにここまでされるとは予想だにしなかったガウラは、慌て始める。
「待っ……んんっ」
下着越しにヴァルの指が胸の先端を掠めた。
その刺激に、甘い声が漏れる。
それを皮切りに、ヴァルは先端を刺激し始める。
「ぅんっ…まっ…ヴァ……ル……っ」
甘い痺れに身体が小さく震える。
すると、ヴァルは下着をずらし、ガウラの胸を顕にした。
「っ?!」
「ガウラの胸…可愛いね」
「…ヴァ……っ」
「美味しそうだ」
そう言って、ヴァルは彼女の胸の先端を口に含んだ。
「────っ??!!!」
ヴァルの指と舌から与えられる刺激で、声が出そうになり、咄嗟に両手で自分の口を抑えるガウラ。
「ふっ……んんっ……ぅんんっ…」
抑えきれない声が鼻から漏れる。
どのくらいの時間、刺激されていたかは分からないが、ヴァルの身体が自分から離れたことに気がついた。
与えられていた刺激で、頭はボーッとしていて、身体に力は入らない。
息は荒く、白かった肌は熱のせいでほんのりピンクに染まっている。
潤んだ瞳をヴァルに向けると、恍惚として微笑んでいた。
「……ヴァ………ル………?」
呼吸が荒い中、何とか名前を呼ぶ。
すると、ヴァルが自分のシャツのボタンを外し始める。
「……え……」
「ガウラ……共に愛し合おう」
そのヴァルの言葉に、潤んだ瞳が見開かれる。
ヴァルの身体が近くなる。
これから行われるであろう行為に、心の準備が出来ていないガウラは、ギュッと目をつぶった。
「……ぷっ……ふふふっ」
噴き出す声が聞こえ、恐る恐る目を開けると、笑いを堪えているヴァルの姿。
「………は?」
「ふふっ、済まない。あまりにもガウラがあたいをからかうものだから、仕返しさせてもらったんだ」
「~~~~っ!!?」
ヴァルの言葉に、これまでの恥ずかしさと、仕返しされたと言う怒りで顔が真っ赤に染まる。
「お前……っ!!」
「ガウラが悪いんだぞ?先に手を出したのはそっちだからな?」
「うっ……」
その通りなので言葉が詰まる。
「でも、ガウラがこの先を経験したいと思うなら、あたいは何時でも心の準備は出来てるよ」
「はいっ?!」
ヴァルの発言に、声がひっくり返るガウラ。
それを見て、また笑い始めるヴァルだった。
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